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カラオケとKARAOKE


 スーザン・ボイル(Susan Boyle)、彼女のことを新聞記事やテレビのニュースでご覧になった方は多いのではないでしょうか。スーザンは4月11日、イギリスのオーディション番組(Britains Got Talent)に登場、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の挿入歌「夢破れて(I Dreamed A Dream)」を歌い始めたとたん、会場が総立ちになるほどの歌唱力をみせたのです。

 ユーチューブ(You Tube)に彼女が出演したテレビ番組が登場すると世界中からのアクセスが殺到し、わすか一週間で4,000万回のアクセス数を超える記録的な人気サイトとなりました。

 彼女の歌唱力が素晴らしいのは勿論ですが、会場にいた聴衆の盛り上がりや反応、それに審査員の率直なコメントが加わって、観た人の心が和(なご)むのだと思います。

米国は第二次カラオケブーム

 スーザンは、スコットランド中部の町の協会でボランティアをしている48歳の普通の女性ですが、地元のカラオケでは歌の上手さが評判になっていたそうです。

 カラオケは日本で生まれたアイデアです。そしてカラオケ店は、今ではすっかり街の風景に馴染んだ存在になっています。また日本発祥の「Karaoke」は世界の共通語にまで普及しています。

 アメリカにも 1980年代にカラオケが紹介されましたが、一般に普及するところまでは行きませんでした。しかし、この数年ニューヨークやロスアンゼルスなどの都会中心に急速にカラオケ人気が復活しているそうです。

 最近のカラオケ人気復活の火付け役となったテレビ番組の一つに「シンギング・ビー」(Singing Bee、歌うミツバチ)という人気番組があります。この番組の様子もユーチューブで見ることができます。素人が舞台で歌を披露するところまでは、スーザン・ボイルが登場したイギリスのテレビ人気番組と同じですが、採点の基準はまったく異なります。

 イギリスのテレビ番組は登場者の歌の上手さが問われます。一方シンギング・ビーでは、6名ずつの登場者が、どれだけ正確に歌の歌詞を覚えているかを競います。プロの歌手が、60年代の懐メロから最近のヒット曲まで、幅広い年代の曲を歌い出し、途中でストップします。

シンギング・ビーのシーンー

ゲーム参加者は続きの歌詞を一字一句どれだけ正確に歌えるかでふるいにかけられます。歌は下手でも構いません。実際、聞くに堪えない参加者の方が多いくらいです。

 日本の場合、ほとんどのゲーム・ショーは「タレント」と呼ばれる人々に依存していますが、イギリスの番組もアメリカの番組も主役は、ステージに上がる素人の登場者です。そして、ステージの登場者自身が実に楽しそうに振舞っている様子、そのものが見ている人を楽しませます。更に、会場に詰めかけている人々の反応も半端ではありません。ステージ上で登場者が演じる姿にストレートに反響しています。

 タレントと呼ばれるお笑い芸人が主役の番組が素直に楽しめない私としては、ステージ上に上がる素人の才能(タレント)の方がはるかに面白いと感じます。

日本ではヒトカラがブーム

 カラオケ元祖の日本では、カラオケの使い方にも大きな変化が生じています。「ヒトカラ」と言われる現象です。カラオケは「大勢で行って楽しむもの」という概念でした。実際、カラオケ店には3名から4名で楽しむ小部屋から十数人が入れる大部屋までいろいろなサイズの部屋を揃えてあります。しかし、最近一人でカラオケ店の部屋を貸し切り、多い人で100曲もの歌を歌い続けるスタイルが増えているのだそうです。一人でカラオケに行くことを略して「ヒトカラ」です。またヒトカラをする人を「ヒトカラー」と呼ぶこともあるそうです。

 「日本人は一人ひとり順番に歌いますが、アメリカ人は全員で合唱するんですね」、アメリカでカラオケ事業を展開するJohnman USA Inc.木田社長の言葉です。 日本では、他の人が歌っている間、次に自分が歌う曲選びに熱心で、他人の歌を聴いてはいません(笑)。こんなところがヒトカラがブームになる要因でしょうか。

カラオケとKaraokeは似て非なるもの?

 ヒトカラは欧米でも流行るでしょうか?大勢で楽しむ道具としてカラオケを使うという目的であれば、日本のカラオケと欧米のKaraokeに違いはありません。しかし、自分のストレスを発散したい、あるいは人前で歌うのに恥をかきたくないから秘かに練習することが目的のヒトカラは世界のHitokaraになるでしょうか。

  「合わせの文化と選択の文化」で日米の文化の違いについて触れました。同じカラオケという道具を使っていても、楽しみ方にはそれぞれの国の文化とか国民性の違いがおのずと出てくるのだと思います。

 最近、英語に堪能な知人から指摘を受けました。日本では「エコ」という言葉が日常的に使われているが、この言葉は完全に和製英語だそうです。日本ではエコロジー(環境)の略でエコという言葉を使っていますが、アメリカ人がEcoという略語から理解する言葉はエコノミー(経済)だそうです。環境技術はエコ・テクノロジーではなくグリーン・テクノロジーと表現するのだそうです。

 もう一つ教わりました。製造に携わる人を「ブルーカラー」、オフィスで事務職に携わる人を「ホワイトカラー」と呼びますが、最近これに「グリーンカラー」という言葉が追加されオバマ大統領もしばしば使っているそうです。環境技術や環境事業に携わる人々のことを指しての言葉です。

 内向きな響きを持つ「ヒトカラー」は日本だけの現象かも知れません。しかし、地球に生きる人類全体の将来のために頑張る「グリーンカラー」という前向きな響きを持つ言葉は、文化の違いを乗り越えて世界から共感を得る言葉となることは間違いありません。

'09.4.30  木下 利信