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タイトル

セリーン・ディオンとタイタニック


 誰でも好きな歌手、嫌いな歌手がいるものと思います。私が若い頃、嫌いな歌手ナンバーワンは美空ひばりでした。何せビートルズにあこがれていた青春時代でしたから、こてこての演歌歌手である美空ひばりの存在そのものに興味が無かったのです。

 しかし年を重ねるに連れて、美空ひばりの歌がストレートに心に染みるようになっていました。今ではすっかり美空ひばりの歌が好きになっています。特に美空ひばり最後のシングル曲となった「川の流れのように」を聴くと脳の活動が一旦停止するほどの何とも言えない気持ちになってしまいます。

日本の歌姫と世界の歌姫

 美空ひばりは元祖日本の歌姫と言われています。ちなみにあるアンケート調査によると昭和の歌姫が松田聖子、平成の歌姫は浜崎あゆみ、そして現代の歌姫といえば宇多田ヒカルということになります。そして二年前に38歳の若さで急逝した本田美奈子さんを永遠の歌姫と呼ぶファンも多くいます。

 アン・マレー(Anne Murray)という歌手をご存知でしょうか。外国女性歌手の中で私が一番好きなシンガーです。1970年代から80年代に多くのヒット曲を出しました。代表曲である「Snowbird」「You needed me」は、どこかで耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。20年以上も前、海外出張中の機内で彼女の歌を初めて聴いた時、私の脳に直接響いた歌声に感動し、早速現地のレコード店に駆け込み彼女のカセットテープを買い込んだことを今でも思い出します。

 彼女はカナダ出身で「カナダの歌う恋人」と呼ばれています。その後、彼女のコンサートを妻と一緒に観る機会も得、すっかりファンになりました。そしてアン・マレーの次の世代として同じカナダから世界の歌姫と呼ばれる歌手が出現しました。セリーン・ディオン(Celine Dion)です。

セリーン・ディオンのアンコール曲

 そのセリーン・ディオンが9年振りに来日しました。3月8日(土)の夜、東京ドーム初日のコンサートに妻と二人で出かけたのでした。ビリージョエルコンサートに続いて二度目の東京ドームです。もちろん2時間席を立たないよう今回も水分制限をしっかり守ってコンサートに臨みました。

 定刻から15分遅れでコンサートが始まりました、最初の曲はシンディー・ローパーのヒット曲をカバーした「I drove all night」です。軽快でビートがきいた曲とセリーン・ディオンの透き通る高音がいきなりドーム全体に広がり一気に盛り上がります。

 そして「The power of love」「To love you more」等数々の彼女のヒット曲が続きます。2時間近くのコンサートで24曲を歌い通しました。会場の拍手は鳴り止みません、そしてセリーン・ディオンが再びステージに現れアンコール曲の序章が流れました、「My heart will go on」です。10年前に大ヒットした映画「タイタニック」のテーマソングです。この曲で彼女は「世界の歌姫」としての地位を不動のものとしたのです。

タイタニックのヒットで生まれたジョーク

 1997年に公開された映画「タイタニック」は全世界的なヒット作品となりました。当時の興行成績記録は未だに破られていないそうです。映画は完全にラブロマンスをテーマとしたものですが、1912年にイギリスの港から新天地アメリカへ向けて処女航海に出発した豪華客船タイタニック号が氷山と衝突し、乗客乗員2,200名の半数以上が亡くなった大惨事をベースに物語が展開しています。

 当時、救命ボートは定員の半分程度しか装備されていませんでした。船が沈没しかかった時、乗客が我先に救命ボートに群がり、それを一等航海士がピストルを掲げて制止しているシーンを覚えておられる方も多いでしょう。

 もし救命ボートに乗れなかったら、流氷が浮かぶ冷たい海水の中に放り出されます。つまり死を意味するのですから、皆必死です。しかし一等航海士は子供と婦人を優先してボートに乗せようとしたのです。

 映画タイタニックが全世界的ヒットとなった時、一つのジョークがインターネットの世界を駆け巡りました。一等航海士が殺気立った男性陣に対し、救命ボートを婦女子に譲り、いかにして船に残るよう説得したかです。

 イギリスからアメリカへ向かう船ですから乗客はイギリス人、アメリカ人それにドイツ人等が多かったのです。イギリス人の男性に向かって一等航海士は「あなたはジェントルマンですよね?」と問いかけたそうです。するとイギリス人男性は「そうだ、私はジェントルマンだ。ジェントルマンとしてレディーファーストはマナーの基本。男性である自分が我先に救命ボートに乗るわけにはいかない」と言って引き下がりました。

 アメリカ人の男性に向かって、一等航海士は「あなたはヒーローになれる」と語ったそうです。するとアメリカ人男性は「そうだ、自分は救命ボートをか弱い婦女子に譲ることでヒーローと後々呼ばれるに違いない」と言って救命ボートから離れました。

 ドイツ人の男性に対しては、「これがルールです」と言いました。するとドイツ人男性は、「規則であれば仕方がない」と言って、救命ボートから離れました。

横並びは日本人のDNA

 以上、いずれもそれぞれのお国柄を実に的確に表しています。そしてこのジョークは続きます。

 もし、タイタニックに日本人男性が乗っていたら一等航海士は何といって説得したのでしょうと問いかけます。答えは「皆さんそうしていらっしゃいます」と説得するのだそうです。

 私のセミナーではたびたびこのジョークを紹介しています。皆さん、「そう言われればそうだよな!」と妙な共感を持って笑いが生じます。決して年配者だけではありません。個人主義が強まったと言われる若い人でも同じ反応です。

 つまり、周りを気にする、他の人と同じ行動をとるという姿勢は日本人のDNAなのです。上述のジョークは英語で世界中のインターネットに流れました。決して日本人だけを面白おかしく取り上げたのではなく、フランス人だったら、メキシコ人だったら等、各国のお国柄をパロディー化したものです。

FPはライフプランのリスクを見通す“双眼鏡”

 周りが気になる、他人と同じ行動をとることで何となく安心するという行動行為は世界が認める日本人のイメージなのです。個人的には悔しい思いがします。同じ日本人でも十人十色であることを知っているからです。しかし海外から見ると日本人、そして日本という国がこのように見られることは、残念ながら事実と言わざるを得ません。

 FPの相談業務では、クライアントのライフプランを一緒に考え納得のいくプランを見出すことが業務の柱になります。その時、平均的なライフプランや他人のライフプランを当てはめることは出来ません。クライアント自身が自分の置かれている状況を冷静に見つめ、そして目指すべき目標を見出し、その目標達成のための行動を起こすことが最も重要です。

 タイタニックでは、イギリス出港の際、双眼鏡が入ったロッカーの鍵を持った船員が、鍵を乗務員に引き継がないまま退船してしまったため、双眼鏡が使えず航海中の警戒を肉眼で行うしかなかったことが氷山発見を遅らせた直接の原因だと言われています。

 人生という長い航海で、先の見通しを明確に立てることはなかなか出来ることではありません。しかしFPの知識や経験を持った専門家の眼を“双眼鏡”代わりに活用することで、リスク(氷山)を事前に、また正確に理解し、それらを回避する方策や知恵が得られるのです。


'08.3.26  木下 利信