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お金に関する七つの習慣


 FPの間でよく知られた人物に本田静六と言う人がいます。1866年(慶應2年)に生まれ、1952年(昭和27年)、85歳で亡くなりました。

 ウィキペディア(インターネットの百科事典)で本多静六を検索すると「北海道の大沼公園や福島県の鶴ヶ城公園、埼玉県の羊山公園、東京都の明治神宮、日比谷公園、石川県の卯辰公園、福岡県の大濠公園ほか、設計・改良に携わった公園多数。東京山林学校(後の東大農学部)卒業後に留学したドイツを始め、海外に十数回視察に赴き、明治期以降の日本の大規模公園の開設・修正に携わった。」とあり、「公園の父」と呼ばれる林学の大家として知られた人物でした。

本田静六の生活哲学

 本多静六は、25歳でドイツ留学から帰国した後、東大農学部の助教授に任官しました。そして給料の手取り額から貯蓄を始めたのです。のちに「四分の一天引き貯金法」と呼ばれる方式で、とにかく給料を頂いたらその四分の一を貯蓄し、残りの四分の三で生活をやりくりするのです。これを生涯続けました。

 単にお金を貯めるだけではありません、今でいう「投資」にも積極的に取り組んだのです。四分の一天引き貯金でたまったお金を元手に日本鉄道株を購入、それが二倍半で政府の買い上げになった後、当時只(ただ)でももらい手が無いといわれた秩父山奥の山林を購入。日露戦争後の好景気で木材の需要が急増、巨額の富を手に入れました。山林に目をつけたのは、専門としている林業の知識とドイツ留学経験から将来の需要を見込んでのことでした。

 40歳の時には、大学の俸給より預金の利息や株式の配当の方が多くなり、60歳の時には預金、株式に加え多くの不動産を所有、本人が予想していたよりはるかに大きな財産を築いたのです。この間、世間からのねたみや信用していた人の裏切り等にもあいながら、自分のライフスタイルを生涯変えることなく過ごし、晩年は老夫婦が暮らしてゆくだけの資産のほかはすべて(今のお金で何十億〜何百億円相当)を公益事業に匿名で寄付し、生涯を終えました。

家計簿の母、羽仁もと子

 日本で初めて家計簿を考案したのは羽仁もと子と言われています。彼女は報知新聞で日本初の女性記者となり、同僚の羽仁吉一と結婚し、夫婦で「家庭乃友」(『婦人乃友』の前身)を刊行したことで有名です。

 共稼ぎ当時、何も無駄使いしているつもりは無いにもかかわらず、月末になるとお金が足りなくなることを何度も経験していました。それまでは、いわゆるどんぶり勘定でした。そこで、家計の出費を「食費」「娯楽費」「小遣い」等の費目に分け、それぞれの費目名を記した封筒に毎月使えるお金を入れて管理を始めたのです。夫の小遣いもそれまでは、飲み会や会食がある都度妻にお金を請求していたのが、それからは夫が使える小遣いが入った封筒を受け取るシステムに変えたのです。効果は劇的でした、今まで足りなかった家計が、毎月預金に回せるほどの余裕が出てきたのです。夫も協力的でした、与えられた金額の範囲で出費を工夫し始めたのです。

 この経験がもとで、家計簿考案に結びついたのです。今年も婦人乃友社から「羽仁もと子案家計簿2008年版」が発売されました。創刊から実に104年目にあたるそうです。

 関東短期大準教授の長沼行太郎氏が、羽仁もと子の家計簿を自ら追体験した結果を報告(PDF)しています。「家計簿をつけたのは妻なのだけど、家計簿がもたらした生活の変化に他愛もなく驚嘆したのは、夫の私のほうだった」と。

 長沼氏は、家計簿の本質は毎日の出費を記録することではなく、何にどれだけ出費するかの“計画”を立てることだと指摘しています。まさしくその通りだと思います。

今の子供たちの共感は得られない

 本多静六や羽仁もと子の物語に対し、中高年の方々は共感する点が多々あるのではないでしょうか。しかし今の子供や若者達にこれらの話しが共感を持って受け止められるかは疑問です。

 モノあふれる豊かな時代に生まれた子供や若い人に、けち臭い「節約の精神」やしち面倒くさい「家計簿の効用」を言い聞かせても、理解を超えた話しとしか聞こえないでしょう。

 でも、子供たちが独り立ちした後、節約の大切さや貯蓄の方法を誰からも教わっていなかったことに気付くのです。実際、学校ではお金に関しての教育は皆無と言えるのが現状です。肝心の先生がお金の何を教えていいのか分からないです。いきなり証券投資のゲームを授業に取り入れたりしても効果は期待できないと私は考えます。

 相変わらず消費者金融会社や銀行のカードローンはテレビコマーシャルの有力スポンサーですし、街の角々に個人向けローンのATMが数多く設置されています。お金は親が汗水たらして働いて得てくるのではなく、銀行のATMカードが生み出すものと子供が錯覚しても不思議ではありません。

幅広い経験を持ったタスクメンバー

 私がメンバーとして所属しているNPO法人くらしとお金の学校で有志が集まり、高校生を対象とした金銭教育タスクを立ち上げました。私の提言に賛同して参加してくれたメンバーは4名。いずれも、今の子供たちの金銭感覚に危機感を持ったメンバーでした。

 メンバーの職業経験はバラエティーに富んでいます。某区役所で地方公務員として生活保護を担当していた女性、中小企業オーナーを主たる顧客としている現役税理士、FPとして独立する前は某金融会社で債権取立て業務を担当していた等です。

 毎月一回のペースで検討会を開催し、一年間が活動期間です。幅広い経験者の集まりは理想の構成ですが、議論はどんどん拡散していく一方です。しかし、半年を経過した頃から次第に目指すべき活動成果のイメージがはっきりとしてきたのです。

高校生のうちに身に付けておきたい「お金に関する七つの習慣」

 一年間のタスク活動が今夏終了しました。タスクの成果として生まれたのが「高校生のうちに身につけておきたい『お金に関する七つの習慣』ハンドブック」(PDF)です。



 ハンドブックは学校の授業で先生方に活用して頂くことを念頭に作成してあります。生徒には、「こう考えなさい」といった理解を求めることよりも、「こうしなさい」といった行動を前面に出しています。伝えたいメッセージはシンプルです。タスクが選んだ七つの習慣は次のようなものです。
 【第一の習慣】 お金は仕事を通じて得る
 【第二の習慣】 目標を持って貯蓄する
 【第三の習慣】 天引き預金を実行する
 【第四の習慣】 賢く使う
 【第五の習慣】 複利の性質を理解し利用する
 【第六の習慣】 時間を味方につける
 【第七の習慣】 貯めたお金に働いてもらう

 七つの習慣が生徒の記憶の中に少しでも残り、社会人になった時、それを一つでも二つでも思い起してもらいたいとの願いです。そのため、各習慣の意味するところを「解説」するページを先生用として用意してあります。

良い習慣を身に着けることの大変さ

 9月のFPエッセイ「合わせの文化と選択の文化」でも述べましたが、一度身についた習慣を変えるには大変な努力がいります。もし、若いときに良い習慣が身についたら一生ものです。

 現在、出来上がったハンドブックをFP仲間や学校の先生、それに高校生の子供がいる親御さんに実際に使って頂き、より良い内容にするため、そしてより使いやすいものにするための意見をお願いしているところです。

 幸い、ハンドブックを手にした方々の評判は悪くありません。一番多いのは「これは現役高校生だけでなく、既に社会人となった若者にも役立つ」といった声です。実に嬉しいコメントです。ハンドブックの試みは始まったばかりです、是非このエッセイの読者の方々にも活用して頂けたら幸いです。ハンドブックは非売品です、もしご活用をお考えの場合は遠慮なくご一報下さい。またコメントも歓迎です。


'07.11.22  木下 利信





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