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人生のステージと三つの退職


 「ライスワークとライフワーク」の話を以前FPエッセイで書きました。家族を養い、老後資金を蓄えるため、定年まで例え好きな仕事ではなくとも、一所懸命働いてお金を稼ぐライスワークの現役時代、これがファーストステージ(第一の人生)です。定年後、好きなことに取り組むことが、その人の幸せにつながります。つまりライフワークを見つけ、それに集中、熱中できたら最高です。楽しいセカンドステージ(第二の人生)です。しかし、気力、体力はいつか衰えていきます。そして、最期を迎えるまでのサードステージ(第三の人生)をどう過ごすか、周りから愛される近所のご隠居になれるか、セカンドステージに入った私にとってのこれからの課題です。

人生のステージで退職時期を決めるのは誰

 この三つのステージ(PDF)それぞれに「退職時期」があります。ファーストステージの退職時期は、会社勤めが終わる、いわゆる「定年」です。この定年退職の時期は自分で決めるのではなく、60歳になったら退職するという会社の規定で決められるのです。昨年「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が改定され、今後漸次65歳まで雇用期間の延長がされることになります。60歳以降もライスワークを続ける選択をしたとしても、いずれ会社の規定で「退職」を申し渡されることに違いはありません。

 ライフワークは自分が好きなことを自分の責任権限の範囲で行います。そして、ライフワークを止める、あるいはペースを落す時期は、自分自身で決めることになります。つまり、セカンドステージの退職時期を決めるのは自分であることが、ファーストステージの定年退職と大きく異なる点です。従って、第二の人生の退職時期は人によって全て異なってきます。現役時代とは違った自己管理と自己規制が求められるといえます。

 そして、次のサードステージ(第三の人生)の終わりは、正しく人生というステージの幕引きです。そして、人生からの退職の時期は、神様によって決められるのです。

人生をリセットしたがる夫

 しかし、これはどちらかというと仕事中心の生活を送ってきた男性や共稼ぎ夫婦のステージの変化です。子育てや家事を主にこなしてきた主婦には当てはまりません。主婦は、夫が定年退職を迎えたからといって家事という仕事から解放されません。夫が定年後、家にいることが多くなるため、逆に夫の昼食を用意するといった仕事量が増加することなりもなり兼ねません。主婦は子ども達が巣立った時や親の介護から解放された時が大きな転機なのかも知れません。

 仕事中心の男性は、ファーストステージからの退職を契機に人生をリセットしようとします。今までの会社中心の生活や人脈から離れ、田舎暮らしや海外ロングステイに興味を持つのは、大半男性の方です。

 しかし、主婦は全然違います。「友達ポートフォリオ」でも触れましたが、地域にしっかり根付いた生活パターンを確立しているため、夫が人生のリセットを楽しそうに語るのを隣で冷ややかな眼で見詰めることになります。

 団塊の世代が定年を迎える時期になり、世間では海外ロングステイを取り上げるテレビ番組や新聞雑誌の記事が急増しています。海外ロングステイのセミナーはどれも盛況です。しかし、実際に妻の賛同を得て、海外暮らしを始める夫婦はそれほど多くはないのです。

 海外ロングステイ財団という組織があります。海外ロングステイの番組や新聞記事が出ると、とたんに財団に問い合わせが殺到します。そもそも財団は海外ロングステイの健全な普及を推進することを目的として設立されたのですが、このような問合せに対しては、安易にロングステイを考えないようにと釘を刺すアドバイスが最近増えてきたそうです。理由は、妻の同意を得ないまま夫が一存でロングステイに惚れ込んでいるからです。そして、ロングステイそのもの、即ち人生のリセットが目的となり、ロングステイ先で何を成し遂げたいのかが明確となっていないのだそうです。

逆算の発想で今を見直す

 人生を三つのステージに分けて考え始めると「逆算の発想」にたどり着きます。今こうだから、次はこうだろう、将来はああだろうか、といった順を追った発想ではなく、自分の最期を具体的にイメージしたり、次のステージで成し遂げたいことを自覚することで今の課題を見詰め直す姿勢です。

 セカンドステージやサードステージでは、自分の連れ合いや子ども達に迷惑や心配をかけたくないと考えています。その為に一番大切なことは、なるべく長く健康体で生活し続けることです。病気や、寝たきりになったら、自分自身も苦しみますが、妻や子ども達もそれに巻き込まれることになります。独立系FPの起業を決断した時、最初にとった行動が「ダイエット」でした。

 ライスワーク真っ盛りの若い人には、定年退職後の目標を持つことで、「仕事を通じた経験の積み重ね」の大切さを理解し、「時間を味方につけた退職後資金作り」にチャレンジする勇気、決意が生まれます。

 これから定年を迎える夫婦の不安の第一は、老後生活資金の不足です(正確には不足の懸念です)。老後の必要生活資金は選択するライフスタイルで大きく異なってきます。しかし、このライフスタイルを描けてないことが多いのです。セカンドステージで成し遂げたいことを明らかにし、それに沿ったライフスタイルを描くことで、初めて老後の生活資金の過不足が語れるようになるのです。もし、資金が足りていればその段階で不安は解消します。また資金が不足した場合でも、その資金不足を解決する具体的な対応策の議論に移れます。そして、問題解決の行動を起こすことで不安状態から脱却することが出来ます。

組織で動く企業と個人の違い

 逆算の発想は、経営の世界では手法として良く用いられています。企業の目指す姿、ビジョンを描き、達成すべき目標値を明確にし、目標と現状とのギャップを埋める具体的施策を戦略、戦術として組織の中に展開していく方法です。

 個人あるいは夫婦単位でも同じことです。目指すべき事柄と現状とのギャップを認識することで取り組むべき課題が明確になります。そして課題解決の為の具体的方策を見出し、それを実行していくことで、長期的な課題に取り組む固い意思や、大きな目標を達成する力を得ることが可能となります。

 企業では、目指す姿、ビジョンを描く仕事を経営トップが企画部の頭脳を活用して描いていきます。現状については、各現場、部門からしっかり報告されます。そして、目標達成の具体的施策は事業部長、部門長といわれるミドルマネジメントが中心となって実行して行きます。つまり、それぞれの立場で専門的な知識と経験が組織として揃っているのです(そうでない会社もありますが)。

 しかし、個人や夫婦単位ではこうは行きません。先ず、自らのことでありながら将来のビジョンやライフワークが漠然としたままです。仮に、夢は語れても具体的な達成手段が良く分かりません。とどめは、手段は分かっていても、将来のことに係わる事項より、今日明日の事項に圧倒的な優先順位を置いてしまいます。つまり、何時までたっても手付かずの状態が続くのです。

個人でも専門の知識と経験を活用することが出来る

 個人が組織に比べて遜色のない知恵と経験を得る方策があります。その道のプロを活用することです。個人のライフプラン立案と、そのライフプラン実現のための実行計画を一緒になって考え行動の背中を押してくれるFPの活用です。

 もし、あなたが有能なFPに巡り合えたら、そしてそのFPと信頼関係が構築できたら、今日明日の事項と将来の事項を上手くバランスをとった思考と行動を手に入れられるのです。

 そんなに有能なFPっているの?と言った声が聞こえてきそうです。自信を持ってイエスと言えるようになるため、プロとしての知識と経験の更なる積み重ねが、今日明日の私の課題です。

'07.5.21  木下 利信





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