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友達ポートフォリオ


友達は何人?

 「何人の友達をお持ちですか?」と聞かれたら、あなたは何と答えますか?勿論個人差が大きいので人によって答えは千差万別でしょう。私の場合、本当に親しい友人の数、“う〜ん”と、答えに窮してしまいます。幼馴染の誰と誰、そして学生時代の気の置けない仲間が数人・・・。どんなに積み上げても“両手”には届きません。厳選すると片手にもならないのです(笑)。

 しかし、近所の付き合いやFP仲間を含めて、色々話が出来る人の輪は、会社勤めを辞めてから少しずつ広がってきています。

 冒頭の問いに答えるためには、先ず友達の定義を明らかにする必要があります。なぜなら、その定義によって答える友達の数が異なってくるからです。

友達を使い分ける

 石倉洋子さんという、現在一橋大学大学院教授のすごい女性がいます。石倉さんはフリーの通訳からスタートし、人の出会いが切っ掛けで米国の経営学修士(MBA)にチャレンジ、その後、経営コンサルタントを経て大学の教授となりました。今では幾多の学会要職や企業の社外取締役等を勤める超多忙人です。

 多忙極める生活の中で、自分を見失わないためには、友人を使い分けることがコツだと話していました。友人を使い分けるためには、異なる意見や考え、経験を持った友人を持ち、それを「分類」しておくことが必要だそうです。つまり、「友達ポートフォリオ」を作り、活用するのだそうです。

 例えば、自分が落ち込んでいる時、どんな時でも自分を勇気付け、チアアップしてくれる友人を選んで電話したり、お茶を飲んだりするのです。これで、今日のことは忘れ、また明日からやり直そうと前向きな気持ちになれます。また、自分が異常にハイな気分の時は、どんなことにもネガティブな反応をする友達へ電話するそうです。すると「なにを馬鹿喜びしているの!」とたしなめてくれたり、冷や水を掛けてくれるそうです。後者のような友人を持てば、美味しい話に連れられて詐欺に掛かるような心配は無用になるそうです。

 妙に納得してしまいます。しかし、石倉さんの話の中に、友達を持つことの本質が含まれているのではないでしょうか。

異なるものとの組み合わせが大切

 ポートフォリオとは、異なるものを「組み合わせ」たり「分散する」という意味です。友達の数が多くても、皆同じ考えを持った、同質の友ばかりではポートフォリオにはなりません。例え友達の数は少なくとも、異なった意見を持ち、別の見方をする友、更には違った経歴、経験を持った友を持った方が友達の活用度が高まるのです。

 ポートフォリオは、投資の世界でよく使われる言葉です。値動きの異なる銘柄を組み合わせることで、リスクを小さくする、即ち値動きの振れ幅を小さくする考えです。また、組み合わせの比率を最適化することで、期待する収益を向上させる、といった投資の基礎となる理論です。

友達ポートフォリオ男女の差

 自分と同じ考えや情報を持った友人とだけ付き合ったら、仲間内では楽しい空間が持てますが、お互いを刺激しあい、自分を成長させる機会はかなり狭まったものになるに違いありません。

 価値観は共有しても、違う角度で意見を述べてくれる友がたった一人でも二人でもいてくれたら、活用度の高いポートフォリオが出来るのです。つまり量より質です。

 団塊世代の夫婦を見ていると、男性と女性で大きな違いがあることに気づきます。夫の方は、定年後、地域デビューに戸惑ったり、相変わらず昔の会社仲間とのゴルフが最大の楽しみだったりし、友達の範囲を広げることがなかなか出来ていないのが一般的な姿です。一方、妻の方は、既に数多くのグループへ参加したりして友人の輪を広げています。そして、それらを見事に使い分けて、実に忙しく過ごしています。これは自分の妻を見ていて、日々実感しています。驚くべき人的ネットワークです。

 夫の友達ポートフォリオの実態は、実にプアです。それに比べ妻の友達ポートフォリオは、はるかに高度なレベルに達しているのです。既に勝負ありです。

夫婦の関係が友達ポートフォリオの中核

 友達ポートフォリオに組み入れるべき友は同性である必要はありません。価値観を共有しつつも、異なった見方、経験を持った人同士がお互いを尊重仕合い、刺激しあって更なる成長をなし遂げることが出来る関係なら異性であっても良いのです。

 友達ポートフォリオで劣勢に立たされた夫の身近に一人強力な友達がいることに気づかされます。その友は、夫の意見に対し、時には励まし、時には遠慮なく苦言を呈し、喜びを二倍にし、悲しみを半分にしてくれる、そんな存在です。そう、隣にいる妻です。

 妻は、夫の友達ポートフォリオに欠けている部分をしっかり埋めてくれる存在なのかも知れません。しかし、妻の友達ポートフォリオは既に充実しており、そこに夫が入り込む余地が殆ど無いのが問題です。

 第二の人生では、夫がいかに妻に対してプラスとなる立ち位置を示せるか、相当の努力や自己変革が求められるのです。

相談者のポートフォリオにFPが組み込まれる日はくるのか

 相談者がFPに求めるのは、相談者にはない知識や経験とそこから導き出される問題解決策です。このことが、相談者に理解されれば、相談者のポートフォリオの重要な位置にFPを置いてくれることになります

 しかし、FPへの相談を迷った妻は、夫に話をするのではなく、自分の友達に聞くことが多いのです。聞いた相手がネガティブポートフォリオの立ち位置にいる友人だと、「FPなんて訳の判らない人物に、自分の家計のことを相談するなんて、とんでもない」とアドバイスを受けてしまいます。プロのFPの助言より友達の助言に軍配が上がるのが現状です。

 FPの認知を高める、この為の努力をFP業界全体で推し進めることが、今本当に求められています。何時の日か、相談者の友達ポートフォリオの友人から「早くプロのFPに相談しなさい」とアドバイスされるのが普通の状態となる日を夢に見ています(笑)。

 最後に、石倉洋子さんがモットーとしている言葉を紹介します。“The best is yet to come.”、「もっと良いことがこれから起こる」という意味です。実に前向きな言葉で、石倉さんのエネルギーが伝わってきます。FPである私が相談者に伝えたい言葉でもあります。


'07.4.20  木下 利信





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