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ぴあはーと藤が丘物語


 いよいよ団塊世代の定年が間近に迫ってきました。来年から始まる大量の定年退職に合わせ、団塊世代向けの商品やサービスの開発、宣伝が過熱してきています。彼らが定年後に迎える第二の人生、即ち「セカンドステージ」の議論もあちらこちらで起きています。

 そういう私自身も団塊世代の一期生です。57歳になる直前で、同期の皆さんより少し早めにセカンドステージに入りました。退社前後のプロセス、セカンドステージへ移行するに当たっての心構えと現実とのギャップといった実体験が同世代の方々のFP相談に役立っています。

 ご主人がサラリーマンの場合は、長い会社人生からの急激な変化への対応に戸惑い、奥様は親の介護問題の真最中で、折角のセカンドステージを夫婦共に楽しむといった心境になれない方も結構いらっしゃいます。しかし、大半の団塊世代夫婦は60歳になったといえまだまだ気力、体力共に充分で、如何に充実したセカンドステージを過ごそうかと意欲に燃えています。

 しかし、体力、気力が充実したセカンドステージも何時か終わりが来ます。“花の”セカンドステージ後の時間をどこで、誰と、どのように過ごすかが大きな課題になってきます。場合によっては自分自身が介護される立場になります。そして、最後の時を迎えたまさにその時、幸せを感じてあの世へ行けるために、サードステージ(第三の人生)の生活を如何に過ごすかは、誰も避けては通れない問題です。

 50歳代前半で会社人生を辞め、介護事業の世界へ身を投じた私の学生時代の仲間の物語を紹介したいと思います。彼は、東急田園都市線藤が丘駅徒歩1分のところで「ぴあはーと藤が丘」という名の介護型有料老人ホームを経営しています。

 彼が「ぴあはーと藤が丘」を開設した後、周りには大手企業が手がける介護型有料老人ホームが次々と出来ました。「ぴあはーと藤が丘」は某企業の独身寮として使用されていた古いビルを改造して作られたため、外観、内装、レイアウト(スペース)等は周りの新しい介護施設と比べて何一つ勝るものはないのです。実際、開設当初は32ある居室にはトイレもついていませんでした。しかし、2000年に開設以来、入居者の満室状態が続き、現在でも入居希望者のウェイティングリストが出来ているのです。

 何故「ぴあはーと藤が丘」は人気があるのでしょう。入居費用が周りの相場と比べて決して安い訳ではありません。そうです、口コミにより入居を検討される方が後を絶たないのです。入居者は、高齢だが自分一人で外出が出来る健康な方から、認知症や重度の介護を必要とされる方々まで様々です。これら入居者の満足度と併せて入居者の家族の満足度が高いからです。



 友人は、某大手製造業で責任ある仕事を成し遂げる傍ら、早々と自分のセカンドステージの人生設計を練っていました。そして介護制度が大きく動き出すことを機会と捉え介護事業へのチャレンジを決断しました。決断の後、彼は勤務先の人事と交渉し、介護施設を手がけていた企業へ出向したのです。そして二箇所の介護施設で彼が得た経験がものを言うのです。入居者はサードステージを迎えた人生の大先輩の方々です。彼が修行を積んだ介護施設では、入居者の方々は必ずしも幸せに包まれた最期を迎えたられた方ばかりではなかったのです。

 この現場体験と介護される方々の“真の欲求”を理解した彼は、先ず介護施設の立地にこだわりました。いくら環境や設備が良くても電車や車で1時間以上かかる場所では、家族の訪問はどうしても遠のいてしまいます。そこで彼は入居者の連れ合いや子供達が“毎日”でも気楽に訪れられる場所ということで「駅前立地」にこだわったのです。藤が丘にたどり着くまで50箇所以上の物件の現地調査を実施しました。

 物件の購入と改造費には多額の費用が掛かり、とても彼の退職金や自己資金では足りません。しかし、彼は金融機関からの融資を一切受けることなく事業を立ち上げたのです。更に、彼がこだわったのは施設の運営です。年間250ものさまざまなイベントが催されていて、入居者をして退屈させない家族的な生活や環境作りも好評を博している大きな理由です(もっとも、元気な入居者は駅前のパチンコ屋やスーパーがお気に入りです)。更に、元エンジニアである友人自身が手作りで構築した数々のハイテク技術利用安全装置等の導入により、働く職員の負担軽減も実現しています。現に、これらの装置と職員の努力で転倒入院なしの継続記録1,000日も達成しています。

 つまり、表からは見えないところでの創意工夫に満ちているのです。そしてそれらの創意工夫が自分の介護修行時代に得た経験に裏打ちされたものなので、入居者の満足度向上と施設運営の効率化を見事に両立させているのです。

 入居者が最後の時を迎えた時、その家族は「ぴあはーと藤が丘」に入居した(させた)ことは最善の選択だったのだと納得します。「ぴあはーと藤が丘」には営業担当者はいません。入居者の家族の思いと声が他の家族に伝播していくのです。

 この友人の物語は、私のセカンドステージの決断に大きな影響を与えました。決断に至るプロセス、事前準備や経験の積み重ねの重要さを教えてもらいました。独立系FPとして事業を開始するに当たり、仕事の成果を何で測るべきか悩みました。現在、私のホームページではこう書いています、 「“私の物差しはたった一つ、あなたとあなたの家族の幸せ”、これがFP暮らしのコツを運営していく上での信条であり理念です」。実は、この理念は「ぴあはーと藤が丘」のものと同じです。友人の許可を得てコピーさせてもらったのです。

 最近、この友人に居室のトイレのことについて尋ねました。いくらなんでも居室にトイレがないのでは商売に差し支えるのではないのかと。友人の答えは、「そうなんだ、だから今では半数の居室にトイレ設置の工事を行ったんだ」「でも、理由は入居者から文句が出たのではなく、施設を見学に来たご子息が、居室にトイレがないというだけで拒否反応を示すから・・・」。

 最後まで、現場思考の友人らしい言葉でした。

'06.9.16  木下 利信


 ぴあはーと藤が丘ホームページ
 http://www.piaheart.co.jp/



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